アメリカ不動産はじめてガイド

第1章

アメリカ不動産が
おすすめな理由

日本より優れた投資環境

読了目安:7分
基礎知識
  • アメリカは世界最大の経済規模を持ち、長期的に経済が拡大してきた
  • 今後も人口増加が見込まれ、経済成長と共に住宅需要が生まれ続ける可能性が高い
  • 新しい企業や産業が育ち、雇用を生み出す経済基盤がある
  • 米ドルは、世界で最も取引されている基軸通貨である

アメリカ不動産に関心はあっても、「なぜ、わざわざ海外の不動産を買う必要があるのか」「日本の不動産と比べて、何が優れているのか」と疑問に思う方は多いでしょう。

不動産投資では、物件価格や表面利回りに目が向きがちです。しかし、通常は10年、20年と長期で保有するものであるため、その不動産が属する国全体で見た経済の成長性について、複数の視点から考える必要があります。

このような長期的な視点で見ると、アメリカには日本と異なる強みがあります。代表的なものが、「経済成長」「人口増加」「強い実体経済」「通貨価値」の4つです。

本記事では、これらがアメリカ不動産の賃貸需要や資産価値にどのように関係するのかを解説します。

経済成長が不動産の資産価値を支える

アメリカ不動産の長期的な価値を考えるうえで、最初に確認したいのが国全体で見た場合の経済成長です。

アメリカはGDPが世界最大の経済大国です。それに加えてもう一つ重要なのが、GDPの伸び率自体も、先進国の中で非常に高いという点です。

日本もGDP自体は世界4位の経済規模を持っていますが、GDPの「成長率」で見た場合、日本は2025年のランキングで160位となっています。

以下の図を見ると、2000年以降、アメリカのGDPが大きく拡大してきた一方、日本のGDPは長期的に伸び悩んでいることが分かります。

この違いは、不動産投資を考えるうえでも重要です。

短期的な価格変動を狙う取引には、市場参加者の間で利益と損失を取り合う、ゼロサムゲームに近い側面があります。

一方、経済全体が成長する国では、企業利益や所得、家賃、消費など、市場そのものが拡大します。投資家は、誰かの損失だけでなく、新たに生み出された価値から利益を得られます。

もちろん、国の経済が成長していても、すべての不動産価格が上がるわけではありません。しかし、経済成長は、家賃や物件価格が中長期的に上昇するための重要な土台になります。

日本では、物価や賃金が大きく上がらない状態を自然に感じがちです。しかし、世界には経済の拡大とともに物価、賃金、資産価格が上昇する国もあります。アメリカ不動産の魅力は、この成長の恩恵を受けられる点にあります。

もしかすると、今までがそうであっただけで、これからは違う(アメリカが経済成長していかない)という可能性も考えられます。

しかし、アメリカは今後も成長を続けると考えられています。その大きな根拠の一つが、人口です。

人口増加が住宅需要を生み続ける

国連の「World Population Prospects 2024」では、日本の人口は2050年に約1億546万人まで減少する一方、アメリカの人口は約3億8,041万人まで増加すると予測されています。

人口が増えれば、一般に消費や需要が拡大し、GDPを押し上げる要因になります。つまり、人口増加はアメリカの経済成長を支える大きな要因の一つです。

不動産の需要を考えるうえでも、人口は最も基本的な要素の一つです。住宅は、人が住み、生活する場所だからです。

日本では人口減少に加え、地方から大都市への集中も進んでいます。人口が減る地域では住宅が余り、賃貸需要や不動産価格に下押し圧力がかかる可能性があります。

日本国内にも有望な地域はありますが、投資対象となる地域を慎重に選ぶことは、今後さらに重要になります。

一方、アメリカでは今後も人口増加が見込まれています。その背景には、比較的高い出生数に加え、移民を受け入れてきた歴史があります。広い国土を持ち、雇用や教育、起業の機会を求めて世界中から人が集まることが、人口と経済の拡大を支えてきました。

移住希望者の多さを示す一例が、永住権を抽選で付与する「Diversity Visa Program」、いわゆるグリーンカード抽選です。

DV-2024では約2,218万件の適格応募があり、当選者本人と家族を含む約14万3,000人が登録されました。単純計算で約0.64%の当選確率であり、それだけアメリカへ移住を希望する人が多いことを示しています。

人口が増えれば、住宅を必要とする人も増えます。さらに、人口だけでなく世帯数や雇用、所得が増える都市では、賃貸住宅と持ち家の双方に継続的な需要が生まれやすくなります。

ただし、「アメリカの人口が増えるから、どの土地でも価格が上がる」と考えるのは適切ではありません。

アメリカは地域差が大きく、住宅価格は雇用、所得、住宅供給、固定資産税、保険料、治安、学区などにも左右されます。

重要なのは、アメリカという国を選ぶだけでなく、その中から人口と雇用が増えている州、都市、生活圏を選ぶことです。人口増加は大きな追い風ですが、その恩恵がどの地域に現れるかを見極める必要はあります。

危機を乗り越えてきた強い実体経済

アメリカ経済の強さは、現在の大企業の規模だけにあるわけではありません。新しい企業が生まれ、成長し、時代に合わせて産業の主役が入れ替わり続ける仕組みにあります。

アメリカの株式市場も常に右肩上がりだったわけではなく、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショック、急速な利上げなどで何度も大きく下落しました。

それでも、代表的な株価指数は、下落と回復を繰り返しながら長期的に成長してきました。

日本では、バブル崩壊後に株価が以前の高値を回復するまで非常に長い時間を要したため、「一度大きく下落すると、何十年も戻らない」という感覚を持つ方もいるでしょう。

以下の図は、この日米の長期的な違いを分かりやすく示しています。

株価の上昇は、不動産の値上がりを直接保証するものではありません。ただし、株式市場の長期的な成長は、企業が危機を乗り越え、利益と雇用を生み出してきたことを示す一つの指標です。

例えば、GoogleやMetaのような企業は、数十年前には現在の規模で存在していませんでした。

アメリカでは、大学、研究機関、投資家、起業家、専門人材が結びつき、新しい技術や事業を持つ企業に資金と人材が集まる仕組みが発達しています。

新しい企業や産業が生まれれば、雇用が増えます。雇用が増えれば、人がその都市に移り住み、所得と消費が増え、住宅需要が生まれます。

つまり、不動産価格を直接決めるのは株価ではありませんが、企業が成長し続ける経済基盤は、家賃と住宅需要を支える重要な要素です。

10年以上の長期保有を前提とするなら、現在の有力企業だけでなく、将来の雇用を生み出す企業が育つ国かどうかも見ることが大切です。

世界で最も取引される米ドルで資産を持つ

海外不動産を購入することは、土地や建物を持つだけではありません。その物件の購入や家賃で支払われる「通貨」を保有することでもあります。

例えば、購入した海外の物件価格がいくら値上がりしても、その通貨が日本円に対して大きく下落すれば(1ドル150円から1ドル100円に円高が進むなど)、円換算した資産価値や収益は減少する可能性があります。

したがって、10年、20年と海外不動産を保有する場合には、その国の通貨の信用力や流動性も重要です。 米ドルは、世界で最も取引されている通貨です。国際決済銀行の2025年調査によると、米ドルは世界の外国為替取引の約44.6%で使用されています。

米ドルは取引量が多く、売買や送金、融資の市場も広範です。換金性と国際的な信用力の高さは、海外資産を長期保有するうえで重要です。

東南アジアや欧州などにも魅力的な不動産市場はありますが、投資においては物件そのものの収益性だけでなく、通貨や金融市場の安定性まで含めて考える必要があります。 その点で、アメリカ不動産は、世界最大級の経済と米ドルを一体として保有できる優良資産であるといえます。

まとめ

アメリカ不動産の投資環境を支える要素は、大きく四つあります。

第一に、世界最大の経済規模を持ち、長期的に経済が拡大してきたこと。

第二に、今後も人口増加が見込まれ、経済成長と共に住宅需要が生まれ続ける可能性が高いこと。

第三に、新しい企業や産業が育ち、雇用を生み出す経済基盤があること。

そして第四に、世界で最も取引されている米ドルで資産を保有できることです。

日本にも、治安や制度の安定性、現地確認や管理のしやすさなど、多くの長所があります。

しかし、10年、20年という期間で資産の成長を目指す場合、経済と人口が拡大するアメリカには、日本とは異なる投資環境があります。

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